家事按分(かじあんぶん)の設定と仕訳

事業と家事(個人)で共用している経費の場合、全額経費計上することはできません。
そんなとき、事業と家事で使っている割合を設定し、家事で使っている部分を必要経費から除外するのが「家事按分」です。

やよいの青色申告では、事業と家事の割合を設定するだけで自動的に家事費を除外してくれるため、わざわざ電卓をたたいて必要経費だけを入力する必要はありません。

経費帳(または未払金帳)には「全額」経費計上しておいて、後から「家事按分の集計」をすると、一括で家事費分を「事業主貸」で処理してくれます。

家事按分の設定

やよいの青色申告

家事按分は、右上の「ナビゲータ」-「決算・申告」-「家事按分」から設定します。

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勘定科目には、家事按分したい「経費」を選択します。
試しにここでは「通信費」を家事按分してみたいと思います。
(補助科目については後ほど説明します)

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事業で使う割合と家事で使う割合を設定します。
初期では、事業割合:100% 家事割合:0% となっているので、これを適当に変更。

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今回は分かりやすく、事業割合:20% 家事割合:80% で設定。

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右上の「集計」ボタンを押すと、「家事振替額」が算出されます。

この場合は、通信費17,000円に対し家事振替額(家事で使った分)が13,600円となります。(17,000×0.8)

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集計をすると「仕訳書出」がクリックできるようになるので、クリック。

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家事按分仕訳を登録すれば、これにて終了。
家事按分の振替伝票が生成されました。

(クリックで拡大)

通信費13,600円を「事業主貸」(個人的なお金)で支払った振替伝票です。

(クリックで拡大)

「経費帳」を見ても分かるように、合計17,000円のうち80%が家事費とされ経費から除外されています。
結果、実際に事業で使った経費は3,400円となります。

・・・と、ここでアレ?と思った方。
そうなんです。このままだと何かおかしいですよね。

この状態だと、本来なら100%経費計上できる「レンタルサーバー代」や「独自ドメイン代」まで家事按分されてしまうんです。
これは「勘定科目:通信費」を家事按分しているせいで、通信費全てが対象となってしまっています。

また、同じ通信費でも内容によって家事按分の「割合」も違うはずです。
なので、さらに正確な家事按分をするために、通信費の中にカテゴリ(補助科目)を作っていきます。

補助科目を作る

補助科目は、「設定」-「科目設定」から登録します。

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「損益科目」のタブを開いて、「経費」の中の通信費をクリックします。
黒くなったら、上部の「補助作成」をクリック。

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家事按分したい補助科目を作っていきます。
(ちなみにサーチキーは、補助科目を選択するときのショートカットキーのようなものです。作っても作らなくても可。)

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作成した補助科目が、下の通信費の中に入っていることを確認。
そしてここで、再び家事按分の設定画面に戻ります。

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勘定科目を通信費にすると、補助科目に先ほど登録したものが出てきます。ここでそれぞれの割合を設定してあげます。

(クリックで拡大)

プロバイダーを「50:50」
携帯電話代を「20:80」
・・に設定してみましたが、金額が出てきません。

これは経費の仕訳のときに「補助科目」を割り当ててあげなかったからですね。
ということで、「未払金帳」または「経費帳」から補助科目を設定。

やよいの青色申告

「未払金帳」からは、「相手補助科目」から選択を。

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「経費帳」からは、「補助科目」から選択を。
そして今一度、家事按分の画面を開いてみます。

(クリックで拡大)

補助科目が反映され、金額も出てきました。
再び「集計」・「仕訳書出」をクリックして、家事按分をしてみます。


(クリックで拡大)

家事按分振替の仕訳が出来上がりました。


(クリックで拡大)

先ほどとは違い、「プロバイダー代の50%」と「携帯電話代の80%」が家事費として、事業主貸(個人のお金)で支払われています。

結果、事業でかかった経費は8,100円になりました。

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青色申告決算書(1ページ)の経費:通信費もきちんと反映されていますね。

家事按分は、「集計-仕訳書出」で振替伝票を生成するたびに「上書き」されます。そのため、間違った家事按分をして作られた伝票は、わざわざ削除する必要はありません。

どうしても削除したい場合は、[振伝]をダブルクリックして振替伝票を開き、削除したい伝票を右クリックして「伝票の削除」。(行削除じゃないよ)

家事按分の設定は以上で終了です。

按分比率について

家事按分の比率は、基本的に個人の判断に任されています。
が、あまりにも根拠のない比率だと、当然税務署の人に怒られます。

家賃や水道光熱費は、床面積(○○㎡のうち○%仕事場として利用)、業務時間・使用時間・コンセントの差込口数など様々な計算方法があるので、調べてみるとよいでしょう。
(いきすぎた家事按分は脱税行為になるので気をつけてくださいね)

次は「預金出納帳」でお金の動きをみていきましょう